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私たちは“赤ちゃんの後遺症なき生存を通じた家族の幸せ”を合言葉に、世界一のNICUを真剣に目指しています。“臨床への情熱”だけでは到達できない高みを目指して、ユニークで大胆なプログラムを次々に繰り出し、“名人のカン”を理論から導くことのできる人材を続々と輩出しています。リサーチマインド旺盛な臨床家の取り組みは、臨床成績だけでなく、学術的成果や社会貢献における世界の注目をも集めるようになってきています。
私たちはPlan-Do-Check-Action Cycleを発展させた次のシークエンスを大事にしています。
・状態に応じたギアチェンジ~急変にはトップギア、回復期は家族中心に!
・的確な情報収集と重みづけ~矛盾する情報こそ全体像を把握するカギ!
・複数のわかりやすいシナリオを作成し、経過を予測
・達成期限を設定したわかりやすい治療介入~予想外の反応に対し、あらかじめ対策を
・効果判定と軌道修正~すべての経時変化が次のより正しい診断・治療につながる!
必ず有効な治療にたどり着くサイクルの徹底により、根拠に基づいたわかりやすい議論から難しい判断が可能になり、連夜の張り付きや熟練者のカンに頼る局面は激減しました。
現在の臨床エビデンスは不完全であり、だれしも不足分を経験的仮説で補っています。このような“教科書にない知識”は仮説の宝庫です。“野生のカン”や“カリスマ的判断力”が法則として証明されれば、それは“人に教えることのできる知識”になり、だれが治療しても好成績につながるプロトコールが完成します。多忙な新生児の集中治療現場で、決められた時間に研究するのは困難ですが、モニタリング機器の充実した病棟では、日常業務に5%上乗せするだけで、大量の臨床データを収集できます。大動物を使った“臨床的基礎研究”も定期的に行っており、臨床では知り得ない結果のフィードバックから、臨床判断に磨きをかけることができます。私たちは新生児の神経学(急性脳損傷と脳保護、低体温療法、MRI診断、バイオリズム、自律神経調節、ストレス反応など)と循環器学(胎児診断と治療、心機能と組織血流指標、不整脈など)を中心に研究していますが、あかちゃんの幸せにつながるあらゆる“雑医学”にアンテナを向け、呼吸器・内分泌・消化器・感染免疫においても海外一流誌へのプロダクト発信を行っています。NICUではローテーターにも研究に加わってもらい、各種全国学会屋国際学会での発表・国際誌論文投稿をサポートしています。
“地図とコンパスをもった集中治療”は、臨床成績を無限に向上させるだけでなく、“リサーチマインドを持った若手の育成”に直結しています。1人の重症病態の転帰は1つですが、複数のシナリオを経時的に立てて行くことで、いくつもの治療・反応の選択肢を学ぶことができます。また、転帰がうやむやにされることの多い軽~中等症児においても経過予測を徹底することで、所見の多い重症児の予後予測がむしろ容易であることが体得されます。当院NICUでは、ローテーターであっても力量に応じて重症児を担当してもらいます。朝夕の回診では当直医が経過を要約、主治医が病態に基づいたプランを提案し、全員で徹底的に議論します。当座の選択よりも、バックアッププランの適否が重要視されます。
入院児が落ち着いているときは、18時には当直医への申し送りが済みます。重症入院があっても、児がスタビライズされると、いたずらに長居はしません。当直・当番以外の時間外は、それぞれ家族サービス・課外活動に従事します。集中治療をライフワークとして続けるために、幅広い経験と感性を育み、診療を楽しいと感じられる環境を提供します。
集中治療現場の人員配備は十分とは言い難いですが、スタッフ全員が当直・時間外要員である必要はありません。夜勤で疲弊し、判断力が鈍った主治医に代わって、日勤帯に診療や研究データ収集・教育を任せられる人員は、集中治療現場にこそ必要です。当院NICUでも、医局全体のサポートを受け、 育児中のスタッフが活躍中で、産休中のスタッフもいます。
私たちは、周産期医療の高度な専門知識を持った人材を育てていますが、専門性が高いからこそ、時として、1人の一般小児科医として、医師として、人間として社会貢献するスピリットを大切にし、あらゆる方面からの社会貢献を模索しています。東日本大震災後は、被災地の復興や今後の大規模災害対策、少子・過疎地における医療政策に力を入れ、多数のグループ員だけでなく、多くの医局員が現地を訪れました。
午前 | 午後 | |
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月 | ○ | ○ |
火 | - | - |
水 | - | - |
木 | ○ | ○ |
金 | ○ | ○ |