HOME / ACHIEVEMENTS 研究と業績 / MESSAGE 須田教授・西小森教授挨拶
久留米大学小児科には13の専門グループがあって、臨床に強い大学病院として認知されていますが、世界的に有名な研究者もたくさんいます。令和3年度は、別紙のように主任研究者として、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)1件、厚生労働科学研究補助金を1件、文部科学省科学研究費補助金を12件獲得しています。
久留米大学小児科内には最新鋭の研究設備を完備しており、すべての分子生物学的研究が実施可能です。
また、久留米大学には高次脳疾患研究所、循環器病研究所、分子生命科学研究所、ガスクロマト/質量分析医学応用研究施設、バイオ統計センター、先端癌治療研究センターなどが併設されており、小児科内で出来ない研究は、他の施設や講座と共同で研究が行えるようになっています。
1. 臨床、教育、研究のバランス
2. オリジナルを重視
3. 国際的視野に立つ
(1) 積極的に国際学会に発表する
(2) 研究成果は必ず国際学術雑誌に発表する
斬新な発想が自由に言えるような雰囲気作りをしています。「次世代の教科書にのるような、夢のある仕事をやろうよ」と言っています。
またOriginal Investigationだけでなく、希少症例や教育的症例は、若い先生が研究者として論文を書く練習にもなるので、Case reportとして報告することを奨励しています。
僕自身、卒業後は、麻酔科や国立循環器病研究センターなど、いろいろな病院で技術を身につけることに夢中になり、ほとんど論文を書きませんでした。しかし、これで良いのかと思い10年目で海外に飛び出し、小児循環器・周産期新生児学を学び直し、現在に至っています。やはり、若いときに同じ病院で診療だけしていると、伸び悩んでしまうと感じます。専門を深め、研究を行っていくことで、結果としては臨床の幅が広がり、臨床をしていくことでさらに研究的視点で考えることができ、この繰り返しが良いサイクルとなり、医師としての幅が広がります。 ぜひ大学病院で、研究的視点を学んでください。
AMED | 主任 研究者 |
区分 |
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医師主導第2相試験のプロトコル作成研究-レット症候群に対するグレリンの有効性及び安全性の検討- | 弓削 康太郎 | AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構) |
厚生労働省 科学研究助成費 | ||
自己炎症性疾患とその類縁疾患の全国診療体制整備、移行医療体制の構築、診療ガイドライン確立に関する研究 | 西小森 隆太 | |
文部科学省 科学研究助成費 | ||
唾液コルチゾール・MHPGは神経発達症診断・治療評価に有用か? | 山下 裕史朗 | 基盤C |
低出生体重と内臓脂肪が学童の心血管機能に及ぼす影響の検討 | 須田 憲治 | 基盤C |
細胞工学並びにオミックス解析を用いたTNF受容体周期性症候群の診療基盤構築 | 西小森 隆太 | 基盤C |
小児期発症自己免疫性肝疾患の新規バイオマーカーと病因遺伝子の探索 | 水落 建輝 | 基盤C |
無莢膜型インフルエンザ菌による侵襲性感染症の病態解析 | 後藤 憲志 | 基盤C |
血友病保因者の心身のケアを目的とした包括的診療を可能とする連携システムの構築 | 松尾 陽子 | 基盤C |
交感神経細胞の分化転換がレット症候群の脳心連関システム制御異常の原因か? | 原 宗嗣 | 基盤C |
カテーテル先端が視認可能な導光性経鼻栄養カテーテルの開発~誤挿入防止を目指して~ | 木下 正啓 | 基盤C |
エピゲノム解析による免疫グロブリン療法抵抗性川崎病の機序解明 | 高瀬 隆太 | 若手 |
在胎不当過小児への成長ホルモン過剰による血管機能障害および動脈硬化前病変の調査 | 鍵山 慶之 | 若手 |
導出18誘導心電図を用いた肺高血圧症の診断方法の開発 | 前田 靖人 | 若手 |
オキシステロールは胆道閉鎖症のバイオマーカーとして有用か? | 安田 亮輔 | 若手 |
最近2年(2019,2020年度)の小児科の業績も是非、見てください。とても多くの医局員が多くの業績を残していのがわかると思います。
―2019年 (PDF.データ)
―2020年 (PDF.データ)
私は尼崎、京都に長い間暮らしておりましたが、2019年より久留米大学小児科に御世話になっております。そういう意味では、少し他の医局員と違ったものの見方が出来るかもしれません。私からみた久留米大学小児科の特徴、長所について記載します。
まず、様々なグループがそれぞれの分野の診療において診療がしっかりしている点があげられます。近年の小児医療は各分野がめざましい勢いで進歩しております。それぞれの分野の専門家がいる事は患者診療にとって最も大切な点と考えます。また,筑後地域で大きな小児診療施設が当大学病院と関連病院の聖マリア病院しかないこともあり、トータルとして救急から慢性疾患まで豊富な症例を経験する事ができ、小児科医の教育という点ではとても恵まれている点が上げられます。
一方、研究においても、国内国外留学を経験したスタッフが豊富で、臨床を基本にした研究を展開しております。大学病院として診療・教育・研究のいずれにおいても魅力的な施設と考えます。あと久留米大学小児科を取り巻く環境として、同門会がしっかりしている事が上げられます。ある学会の寄付金集めの際、“金はだすが口はださん”と同門会会長が仰ったと伺い、感動した覚えがございます。しっかりした同門会の先生方の御支援をいただいていることは大変心強いと感じました。
これからAI、デジタル化がはいってくる事により小児医療も急速に変化する事が推定されます。そのような際に、さまざまな分野の診療を全体としてしっかり行える体制がととのっていること、中堅以上のスタッフが豊富で教育体制がしっかり整っている事、小児医療に貢献する研究体制が整備されていること、ゆるぎない同門会の支援をいただけること、は何事にも代えがたい財産かと思います。このような長所にアグラをかくことなく、多様性を大切にしつつ、適応すべく変化できうる組織をめざしております。
一緒に子ども達のために働いてみませんか?皆様と一緒にお仕事できることを楽しみに致しております。