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私たち久留米大学小児科神経グループは、「神経疾患をもつ子どもたちの命の輝き(QOL)を高める」ことを目標にチームで診療を行っています。
私たちの外来には九州一円から年間300名の新患、8,000名の再来患者さんが受診されます。また年間100名以上が入院されます。外来では神経筋疾患、発達障害、てんかんなどの患者さんが多く受診され、入院では診断のついていない患者さんの検査、またてんかんの患者さんでは長時間記録ビデオ脳波、頭部MRI、脳血流SPECTなどを中心に検査し、治療を行っています。
重症心身障害児・者の方たちの診療については、地域の拠点病院としての役割があります。療育施設や保健所等の福祉・行政機関、教育委員会とネットワークを築き、診療を行っています。関係機関には神経グループから多くの人材を輩出し、特に女性医師がとても大きな役割を担っています。子育ての経験、社会教育的な視点が生かされる仕事であり、今後ますます女性医師が活躍できる分野です。
診療の過程で私たちは検査結果、臓器、病気だけをみることなく、子どもたちやその家族、そして地域を含めた総合的な視野に立って、開かれた診療を行うことをモットーとしています。
注意欠如多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)、限局性学習症(LD)などの発達障害は、普通学級に在籍する学童の約7%に認められます。また難治性てんかんを持つ多くの患者さんにも発達障害は認められます。発達障害に対するエビデンスのある治療や研究はどこでもできるものではありません。私たちは、長年にわたって新しい診断法、薬物・心理・社会的治療法の開発、病態解明を目的とした研究を行ってきました。ADHDの新しい治療法として米国でエビデンスが認められている包括的治療プログラムである「くるめSummer Treatment Program」を2005年から米国以外で初めてスタートし、続けています。このプログラムの治療エビデンスの科学的評価や効果に関わる生体因子、社会的因子、心理的因子などについて研究を行っています。発達障害の起こるメカニズムについての研究として、ACCELアルゴリズムを使った睡眠測定を通じた神経発達症の特性を捉える臨床研究も開始しております。<株式会社ACCELStars(アクセルスターズ)>。睡眠関連では弓削助教、山下教授を筆頭に、特に小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善に対するメラトニン製剤の開発に関与しております。メラトニン製剤承認で変わる神経発達症診療─「睡眠」を聞き「睡眠から攻める」診療へ【まとめてみました】|Web医事新報|日本医事新報社 (jmedj.co.jp)
レット症候群(女児1万人に1名に起こり、自閉症状、運動障害、てんかんなど多彩な症状を呈する発達障害)の病態解明や治療法に関する研究を親の会(さくらんぼ会)に協力を頂いて、取り組んでいます。当科は九州一円から患者さんが受診されるセンター的な役割を果たしています。臨床では聖マリア病院小児総合研究センター・レット症候群研究センターとも連携しながら、息の長い診療を継続しております。神経伝達物質やグレリンに関する臨床研究、モデルマウスを用いた基礎研究を行い、多くの成果をあげています。当院の高次脳疾患研究所ではレット症候群iPS細胞の樹立もできており、英米の研究者との共同研究が進んでいます。また、研究、臨床留学に関しても山下主任教授(ベイラー医科大)、原講師(UCSD、ヴァンダービルト大)など多数の医師において海外での留学実績があり、若手の先生へも積極的に国内外での研鑽を勧めております。
小児における「こころ」と「脳」の関係を科学的に捉えるための研究をしています。特に摂食障害をもつ子どもたちの研究、治療に積極的に取り組んでいます。心身症グループや精神科と協働して。唾液中のコルチゾール、脳機能画像、近赤外分光測定装置(NIRS)、視線解析装置などの科学的手法を用いて病態や治療効果を評価しています。石井助教、山下(大)助教により、小児心身症評価スケールの開発、起立性低血圧児への新たなアプローチを試みています。また、小児チック症のガイドライン作成へも関与しています。
令和4年より、小池助教を迎えててんかん診療の幅を持たせられるよう鋭意準備中です。WEST症候群、発達性てんかん性脳症、症候性てんかんなど多様な発作性疾患の診療を行っています。
小児科専門医、小児神経専門医、てんかん専門医、臨床遺伝専門医、子どものこころの診療医の資格習得が可能です。
午前 | 午後 | |
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月 | ○ | ○ |
火 | - | - |
水 | ○ | ○ |
木 | △ | △ |
金 | - | - |
△:山下裕史朗教授のみ |
結節性硬化症は様々な症状とつきあっていく病気です、
多くの科の受診が必要になりますので皆で一緒に協力して治療することが重要です。
日本全国に1万5000人もの結節性硬化症の患者さんがいると考えられています。
TSC1とTSC2遺伝子が原因で細胞を増殖させるmTOR(エムトール)という物質が過剰に働き様々な部位に腫瘍ができると言われています。
TSCの臨床的診断基準
難病情報センターHP結節性硬化症 http://www.nanbyou.or.jp/entry/4384
治療方法は全国で行われている標準的なもの(手術、放射線療法、血管塞栓術、mTOR阻害剤など)と同じです。病状にあった治療や検査の状況を医師と一緒に確認しながら進めていきましょう。
2015年7月より結節性硬化症は、指定難病、小児慢性特定疾患の医療費助成対象となりました。症状の程度によっては助成対象にならないことがありますのでコーディネーターに御相談ください。(指定難病や小児慢性特定疾患に関する書類の説明は病院総合窓口へご相談ください)
・泌尿器科 ・皮膚科 ・精神科 ・小児科 ・脳神経外科 ・放射線科
・呼吸器内科 ・眼科 ・口腔外科 ・医療連携室 ・遺伝カウンセリング部門
▶︎ 診療状況をチエックしてくれるコーディネーター制度(成人部門2名、小児部門1名)
・3名の結節性硬化症コーディネーターによる関連科への紹介と定期検査の状況を随時チエック。
・医療連携室を介して地域の病院からの窓口となる。
・受診科で偶然の発見された際の窓口となる。
▶ 電子カルテ内に共有ページを作成し各科で情報共有
▶ 臨床遺伝専門医への受診も可能です。
▶ 新生児から成人まで対応します。
医療機関から「結節性硬化症診療部門」宛の紹介が必要になります。
かかりつけの先生から予約センターに電話0800-200-4897又はFAX0800-200-9489で連絡を下さい。
月~金 8:30~18:00
土 8:30~14:00 にてご連絡ください。
ご不明な点は久留米大学病院 0942-35-3311(代表)から
下記の外来につないでいただき、外来受付の方に折り返しの連絡先をお伝え下さい。
成人部門 泌尿器科 林 秀一郎、松尾 光哲、井川 掌
成人部門 皮膚科 古賀 浩嗣、石井 文人、名嘉眞 武国
成人部門 精神科 伊東 裕二、本岡 大道
小児部門 小児科 田中 征治、福井 香織、渡邊 順子、山下裕史朗