循環器グループ
Index
循環器外来よりお知らせ
心臓に雑音がある、顔や唇の色が悪い(チアノーゼ)、呼吸が荒い、脈がとぶ、胸が痛い、心電図で異常があるといわれた、川崎病、身内に心臓病の人がいる、妊娠している赤ちゃんの心臓が心配、心臓病といわれていたが大人になったので小児科に行くのは抵抗がある、など場合、循環器外来へ受診ください。これ以外にも、心臓に問題があるのではないかとご心配な場合はお気軽にご相談ください。
久留米大学小児科の循環器外来では子どもの心臓病についてのあらゆる診察、ご相談を受けたまわっています。心臓病の中でも「川崎病」「カテーテル治療」「心エコー」「胎児診断」に関しましては、国内のトップレベルの診療・治療成績をあげており、国際的にも高く評価されています。
カテーテル治療の対象として、「心房中隔欠損症」「動脈管開存症」「肺動脈狭窄症」の他に、「冠動脈瘻」「肺動静脈瘻」「大動脈縮窄症」などの治療経験も豊富です。
診察日は月曜日と金曜日の午前中(8:30〜11:00)です。
また、大人になられた先天性心臓病や川崎病の患者さんの診療については、久留米大学循環器センターに国内で最初の「成人先天性心臓病外来」を開設して、大人になってからの問題(就労・妊娠など)を専門スタッフが相談を受けております。外来は金曜午後の診察(13:30〜15:00)です。
受診について
担当専門医が学会出張などで不在のこともございますので、できるだけ事前に小児科医局まで電話もしくはメールにて予約をおとりの上、受診ください。
【受診のご予約・お問合せ先】
電話:0942-31-7565心房中隔欠損症のカテーテル治療について
心房中隔欠損症は左右の心房の間を仕切る壁(中隔)に穴のあいている病気です。動悸、息切れ、風邪にかかりやすい、運動が長続きしない、などの症状がみられます。(詳しくはこちら)症状はあっても軽いことが多いのですが、年齢が増すにつれて進行する場合が多く、ほとんどの場合手術が必要です。
2006年6月から我々のグループでは、細い管(カテーテル)の先に特殊な器具(アンプラッツアー閉鎖栓)をつけて、この穴を治療しています。金属のメッシュでできた傘を穴の両側ではさみこむように開き、閉鎖を行います。世界ではすでに数万人以上の人が治療を受けています。全身麻酔の下で、通常のカテーテル検査と同様に太ももの部分から管を通し、治療を行います。治療は2〜3時間で終了し、全入院期間も1週間程度です。術後3〜6ヵ月経つと、いったん閉じた穴には栓の周囲に自分の心臓の膜が覆っていきますので、一度閉じた後に開いたり移動したりすることはありません。また、これは厚生省の認可した保険診療です。
すべての心房中隔欠損症が閉鎖できるというわけではありません。穴の数、位置、大きさなどでカテーテル治療が難しい場合もあります。一般に欠損孔が心房中隔の端に片寄っている場合(いわゆる静脈洞型)や欠損孔の直径が30mm以上の場合はカテーテル治療が難しくなります。カテーテル治療が可能かどうかの判断には、専門的な評価が必要です。通常のエコー検査だけでは判断が難しいことが多く、このような場合は、経食道エコー検査(胃カメラのようなもの)や治療前のカテーテル検査を受けていただくこともあります。
「聖マリア病院と共同で現在までに250例以上の患者様を治療しています。複数個の孔のある患者さんや、下大静脈の閉塞した患者さんの治療経験もあります。

当科では、心房中隔欠損を含むカテーテル治療についてのご説明・ご相談を毎週月曜日、午後に行っております。予約制ですので、ご希望の方は下記にご連絡ください。
【受診のご予約・お問合せ先】
【関連リンク】
- AGA(アンプラッツアー閉鎖栓について)
- 心房中隔欠損症の子供のために(心房中隔欠損症について)
動脈管開存症のカテーテル治療

動脈管開存症は大動脈と肺動脈の間にある管が生まれたあとも閉じないまま残ってしまった病気です。赤ちゃんの時に見つかる場合もありますが、幼稚園や小学校になって見つかることもあります。穴が1〜2mmと小さい場合はほとんど症状はありませんが、3mm以上の大きさになってくると呼吸が荒い、運動が長続きしないなどの症状が出てきます。大人になって心臓の症状が出始めて治療を受ける人も少なくありません。当院では動脈管開存症のコイル治療を250人以上の患者さんにおこない、95%以上の成功率を収めています。治療は通常2〜3時間で終了します。軽い麻酔だけで治療可能です。全入院期間は1週間程度です。
また、2009年5月からは、全国で3番目のグループとして、動脈管開存症に対してアンプラッツア−動脈管閉鎖栓を用いた治療を開始しました。

肺動脈狭窄症に対するステント治療
肺動脈の一部に狭い部分が残っている場合、これまで風船による治療が行われていましたが、充分な成功率が得られていませんでした。ステントは金属のさやのようなもので、狭い部分に支えをおいて広げるという治療です。外科手術でも難しい部分の治療も可能です。一度拡大したあとの狭窄も少なく、場合によっては再拡大も可能です。治療の基準には専門的な評価が必要です。治療は狭窄の程度によって異なりますが、通常3〜4時間程かかります。入院期間は4〜5日間です。
成人先天性心臓病外来について
先天性心臓病は多くの場合、子どものころに見つかりますが、心房中隔欠損症や動脈管開存症などでは大人になってから初めて診断のつくことも少なくありません。また子どものことに診断を受けたり、外科治療を受けたりしても大人になって、いつまで小児科に行けばいいのか疑問に思われている方も多いと思います。久留米大学循環器病センターにあります「成人先天性心臓病外来」は、このような患者さんの診療や治療を専門的に行う国内でも数少ない施設です。単に心臓の問題にかかわらず、女性の皆さんの妊娠出産に関する相談や、これからの健康管理についての相談なども受付けています。これまで久留米大学に受診された事のない方も相談可能です。
成人先天性心疾患外来は金曜午後の予約制の診察です。担当専門医が学会出張などで不在のこともございますので、事前に小児科医局まで電話もしくはメールでお問合せください。
【受診のご予約・お問合せ先】
【関連リンク】
川崎病について
川崎病は3歳以下のこどもにみられる事の多い病気です。数は少なくなりますが、小学生でも川崎病になることもあります。症状は@高い熱が5日以上つづく、A眼が赤く充血する、B口唇が赤く腫れる、C手足が赤く腫れる、D首の周りが腫れて痛む、E体に発疹がでる、などの症状が出ます。全部の症状が見られるわけではありませんが、多くの場合高熱が続き、血液検査で炎症反応(CRPなど)が上昇します。熱の出始めには通常の風邪と区別がつきにくく、熱が出て3〜5日ほどで他の症状が現れて診断されます。
治療にはガンマグロブリンという薬を注射します。同時にアスピリンという飲み薬もつかいます。このような薬を用いれば、後遺症を残すことなく完治します。ガンマグロブリン治療を受ける約10%に、熱が下がらない場合があります。この場合は、再度ガンマグロブリンを使用するか、他の薬を選択します。現在、熱が出始めて7日以内に治療を開始した場合、冠動脈瘤(心臓後遺症)を合併する頻度は3%程度です。ほとんどの場合、後遺症は残しません。
残念ながら冠動脈瘤を合併した場合には、心臓の精密検査(カテーテル検査)を行います。超音波で見える冠動脈の範囲は限られています。冠動脈の一部にこぶ(瘤)が認められた場合、心臓全体の冠動脈を詳細に見ることができるカテーテル検査は大変重要です。冠動脈瘤ができた場合には、こぶの大きさや形、血液の流れる状態を総合的に判断し、今後の治療法(薬の選択)や検査スケジュールを決定します。専門的な知識と経験が要求されます。
冠動脈瘤の約半数は2年程度で自然によくなります。ところが一部は冠動脈が狭くなっていく(狭窄)場合があります。狭窄が認められた場合は、心臓のバイパス手術が必要になることがあります。最近ではバイパス手術に変わって、カテーテル(細い管)を使った治療もできるようになってきています。
当院ではこのような川崎病の診断と治療、そして長期の経過について豊富な経験と実績をもっており、海外からの問い合わせも数多く寄せられています。
【関連リンク】
胎児心エコー外来について
担当:前野泰樹(准教授)、廣瀬彰子(助教)
毎週水曜、午後(予約は当院産科外来で受け付けております)
生まれつきの心臓病をもって生まれてくる赤ちゃんの中には、生まれたあと急に具合が悪くなることもあるため、生後出来るだけ早く治療を開始した方がより良い治療ができる場合があります。このような心臓病の赤ちゃんを、生まれる前に正確に診断してより良い治療に結びつけるように、そして、ご家族が余裕を持って出産後の準備を始められるように、援助していくための外来です。
【関連リンク】
心臓の精密検査(カテーテル検査)について
今回お子様の心臓病について精密検査(カテーテル検査)が必要になりました。
その目的は、
- 心臓の手術が必要であるかどうか
- いつ手術をすればよいか
- かくれた異常を発見し、診断を確実にするため
- どのような内科的な治療が適切か
- 精密検査と同時に治療を行なう
(バルーン拡張術、コイル塞栓術、ステント留置術、心房中隔欠損閉鎖術、バルーン心房中隔裂開術)
などのためにどうしても必要となります。
この検査では、カテーテルという細い管(ボールペンの芯程の太さ)を太ももの内側から血管に沿って心臓まで進め、心臓のいろいろな部分(心房・心室・肺動脈・大動脈など)の圧力を測定したり、採血をして血液中の酸素の濃度を調べたりします。さらにカテーテルから造影剤を注入して心臓の状態や動きを記録します。検査の間には、状態に応じて全身麻酔や局所麻酔が使用されます。
危険性・合併症は、わずかながら起こる事があり、100人中1〜2人に合併症がみられることがあります。とくに心不全やチアノーゼの強い方、肺高血圧の強い方、心臓の発作のある方、染色体に異常のある方は、上記所見のない人に比べ危険性がやや高くなります。心臓カテーテル検査における主な合併症には以下のようなものがあります。
1)出血 2)感染症 3)薬物アレルギー 4)血栓症 5)塞栓症
6)ショック 7)心不全 8)不整脈 9)発熱 10)頭痛・嘔吐 11)その他
もちろん私どもは、このような合併症が起こらないように、万全の注意をはらって検査を行ないます。このような合併症の起こった場合、もしくは起こる可能性のある場合には、速やかに適切な処置がおこなえるような体制で検査を施行いたします。
カテーテル検査は心臓病の正確な診断をつけるため、また手術を安全に行なうためにどうしても必要な検査です。お子様のカテーテル検査が安全に、そして有効に行えますよう、私どもは常に最新の知識と技術、そして暖かな心を持って取り組むことを心がけております。
以上のご説明をご理解の上で本検査を受けることに同意される場合には、同意書の所定の欄に署名の上ご提出下さい。また、おわかり難い点、ご質問などがございましたら、気軽に担当の医師にお申し出ください。
最近の業績
2012年のうれしいニュース
第23回日本Pediatric Interventional Cardiology学会において、聖マリア病院出向中の伊藤晋一先生がYoung Investigator’s Awardを、当科の工藤嘉公先生が学会長特別ポスター賞を受賞しました。
- Tashiro H, Suda K, Tananari Y, Itoh S. The Impact of Transcatheter Closure of Atrial Septal Defects on the Cardiac Function. Cardiovasc Intervent and Therapeut (in press).
- Koiwaya H, Kai H, Ueno T, Niiyama H, Takeuchi T, Ueda S, Gondo T, Kumagai E, Miyamoato M, Yokoyama S, Sasaki K, Toyama Y, Ohtsuka M, Mitsutake Y, Anegawa T, Nakayoshi T, Kudo Y, Suda K, ImaizumiT. Stent-anchored Coil Embolotherapy - Novel Treatment Procedure for Huge Pulmonary Arteriovenous Malformation in Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia -. Int J Cardiol (in press).
- Kishimoto S, Suda K, Yoshimoto H, Teramachi Y, Nishino H, Koteda Y, Itoh S, Kudo Y, Iemura M, Matsuishi T. Thirty-year follow-up of carnitine supplementation in two siblings with hypertrophic cardiomyopathy caused by primary systemic carnitine deficiency. Int J Cardiol (in press).
- Sakazaki H, Niwa K, Nakazawa M, Saji T, Nakanishi T, Takamuro M, Ueno M, Kato H, Takatsuki S, Matsushima M, Kojima N, Ichida F, Kogaki S, Kido S, Arakaki Y, Waki K, Akagi T, Joo K, Muneuchi J, Suda K, Lee JH, Shintaku H. Clinical features of adult patients with Eisenmenger's syndrome in Japan and Korea. Int J Cardiol (in press).
- Suda K, Tahara N, Yoshimoto H, Kudo Y, Imemura M, Ueno T, Kaida H, Ishibashi M, Imaizumi T. Persistent coronary artery inflammation in a patient long after Kawasaki disease. In J Cardiol 2012;154:193-4.
- Kishimoto S, Suda K, Teramachi Y, Nishino H, Kudo Y, Ishii H, Iemura M, Takahashi T, Okamura H, Matsuishi T. Increased plasma type B natriuretic peptide in the acute phase of Kawasaki disease. Pediatr Int. 2011;53:736-41.
- Suda K, Iemura M, Nishino H, Teramachi Y, Koteda Y, Kishimoto S, Kudo Y, Itoh S, Ishii H, Ueno T, Tashiro T, Nobuyoshi M, Kato H, Matsuishi T. Long-term prognosis of patients with Kawasaki disease complicated by giant coronary aneurysms: A single institution experience. Circulation 2011;123:1836-42.
- Itoh S, Suda K, Kishimoto S, Nishino H, Kudo Y, Iemura I, Teramachi Y , Matsuishi T, Yasunaga H. Microembolic signals measured by transcranial Doppler during transcatheter closure of atrial septal defect using Amplatzer septal occluder. Cardiol Young 2011;21:182-6
- Nishino H, Suda K, Kuramoto A, Honda Y, Takemiya K, Ishii H, Kishimoto K, Iemura, MD, Hori T. Stanford type B aortic dissection associated with pregnancy in patients with Marfan syndrome. A case report and review of the literature. J Cardiol Cases 2010;1:e180-3.
- Nishino H, Suda K, Teramachi Y, Kishimoto S, Goto K, Iemura M. Entrapment of the left coronary artery ostium by the aortic valve leaflet promoting myocardial ischemia. J Am Coll Cardiol. 2010;56:1679.
- Oda T, Yasunaga H, Todo K, Suda K. Repair of left coronary artery ostial isolation caused by aortic valve leaflet. Interact Cardiovasc Thorac Surg 2010;11:796-797.
- Suda K, Matsumura M, Miyanishi S. Intermittent heparin infusion in small children with ischemic heart disease caused by Kawasaki disease. Int J Cardiol 2009;133:417-419.
- Koteda Y, Suda K, Kishimoto S, and Iemura M. Portal-systemic encephalopathy after a Fontan-type operation in patient with polysplenia syndrome. Eur J Cardiovasc Surg 2009;35:1083-5.
- Suda K, Kudo Y, Higaki T, Nomura Y, Miura M, Matsumura M, Ayusawa M, Ogawa S, Matsuishi T. A Multi-center and retrospective case study of warfarin and aspirin combination therapy in patients with giant coronary aneurysms caused by Kawasaki disease. Circ J 2009;73:1319-23.
- Koteda Y, Suda K, Kishimoto S, Ito S, Kudo Y, Nishino H, Ishii H, Iemura M, Matsuishi T. Impact of intravenous Immunoglobulin Infusion on longitudinal left ventricular performance in patients with acute Kawasaki disease of usual course. J Cardiol 2009;54:45-51.
- Kishimoto S, Suda K, Iemura M. Progressive left coronary ostial stenosis after rotablator ablation appreciated by Doppler echocardiography. Pediatr Cardiol 2009;30:1990-1.
- Aoyagi S, Chihara S, Fukunaga S, Mori R, Suda K. Transcatheter coil embolization for patent ductus arteriosus in the elderly: Report of a case and review of the published work. Geriatr Gerontol Int 2009;9:329-32.
- Kanahara M, Kai H, Okamura T, Wada T, Suda K, Imaizumi T, Sagawa K. Usefulness of high concentration calcium chloride solution for correction of activated partial thromboplastin time (APTT) in patients with high hematocrit value Thrombosis Research 2008;121:781?785,.
- Bigras JL, Suda K, Nagib S. Dahdah, Fouron JC. Cardiovascular evaluation of fetal anemia due to alloimmunization. Fetal Diagnosis and Therapy 2008;24:197-202.
- Kudo Y, Suda K, Matsuishi T. Multi-detector computed tomographic imaging of left pulmonary arterial stenosis after occlusion of the patent arterial duct with a coil. Cardiol Young 2008;18:356-7.
- Kudo Y, Suda K, Koteda Y. Pitfalls of echocardiographic evaluation of anomalous origin of the left coronary artery from the pulmonary trunk. Cardiol Young 2008;18:1-2.
スタッフ紹介・連絡先
連絡先
電話:0942-31-7565 FAX:0942-38-1792-
スタッフ紹介